-6- 予備審査後から第一回本審査まで
第一回本審査のスケジュールが平成14年12月2・3日と決まりました。それまでに予備審査で指摘されたところを見直ししなければなりません。まず、マニュアルはできるだけ専門用語は避けました。それでもマダマダ沢山あり限界を感じたので、専門用語には簡単に解説をつけました。そして、実際取り決めた事をするための準備にとりかかり、ダンボールを探しました。というのは、社内からでるゴミの分別のため、空き缶、ペットボトル…というように、それぞれのダストボックス(ダンボール製ですが…)を作りました。それと、電機使用量削減のため、どの電気をどれだけ消せば、どれだけ削減できるのか概算を出すために、各電気製品の電気使用量を調べました。改めてやってみると、「パソコンの多いこと」「なんでこんな多いねん」と思いながら、でも「仕方ないわなぁ」とおもって調べました。最後に、紙使用量削減ですが、これも同じように紙のサイズに応じて分別するトレイを「ダンボール」で作りました。そして、全国の支社に指示したのです。 運用スタート初日、早速質問が飛び交いました。「これはアルミ缶?スチール缶?」「このアメの包みは燃えるゴミ?」「どこに捨てればいいの?」や「この印刷物はカラーインク使用してるけど、どうすればいい?」「何でもかんでも裏紙に使ってもいいの?」…など。また、デスク近くに置いているゴミ箱には燃えるゴミしか捨てないように決めましたので、日々就業時間後、当番制でみまわるようにしました(まるで風紀委員のように)。こうして、ようやく、社員全員がISOに取り組んでいる実感が、私たちチームにも湧いてきました。 全員一丸となってさあ、がんばるぞー、というムードが…。
-7- 第1回本審査 編集部:本審査は、かなりハードルが高かったのでは?
SANADA:そうですね、審査の日を迎えて、前回の予備審査ほど緊張はしませんでした。スケジュールは、12月2日、3日の午前中、審査員の1名で、こちらは大阪本社、堺支社、神戸支社が対象でした。今回も審査は、環境管理責任者、管理職、各支社の責任者、ISO推進プロジェクトチームを中心に行われました。審査内容ですが、前回予備審査で指摘された事項の確認です。ISOは、PDCAサイクルの繰り返しですので、前回指摘された事項の確認は当然で、それを改善しなければなりません。 11月中に改善した内容での運用を確認する為記録を提出させられました。ISOは記録がとても重要になり、「しました」「やりました」の口頭では認めてくれないのです。今回は、当社で定めたマニュアルどおりに運用できていましたので、それ程の指摘はありませんでしたが、また、新たな問題が発生しました。 「各支社独自のISOの取り組みをするよう」指摘されました。しかし、当社は全国13ヵ所で同じ業務をしています。各支社ごとに独自性を出せといわれても・・・。当然、各支社長から質問が殺到しました。「同じ社で同じ業務に取り組んでいるのに何を変えるのか?」など。この難問が一段落するかしないうちに、また審査員から目標を「定量化」するようにいわれました。ISOは、目標を数字で表現する事が前提です。例えば、「紙使用量を減らします」ではなく、「紙使用量を3年間で平均5%減少します。」と目標を定めます。そして、日々の運用をするのですが、「この取り組みを一日するとこれだけ紙使用量が削減できます」というようにできるだけ数字で記録をとるようにするのです。これも「めんどう・・・」などと各支社長に言われるだろうなぁと思いましたが、意外と大丈夫でした。(本音は分かりませんけど・・)
-8- 第2最終審査の前日 編集部:実際の最終審査はどんな感じでしたか?
SANADA:平成15年2月6日の朝を迎えました。いよいよ最終本審査が今日と明日の2日間で行われます。審査対象地区も福岡、東京、名古屋、三河、京都、奈良、本社と7ヶ所。審査員は4名。ばらばらに各支社を訪問し、夕方には大阪の本社に集結する形式で行われました。私達ISO推進プロジェクトチームは少しでも早く情報が欲しいので各支社の審査に立会い、同じように行動しました。内容としては、前回の第1審査で指摘された事についての確認になりますが、できるだけ数値化することと、記録をとる事にこの約1ヶ月間取りくんできました。「やりました」「できませんでした」ではなく、「どのようになり、どう対処しました」を明確に、また、各支社においても具体的に目標を定めました。記録についても、各支社独自でフォーマットを考え、各支社のオリジナリティを出しました。しかし、実際の審査は甘くはなく、「重箱の隅をつつくように・・・」質問攻めでしたね。まるで、役所のお偉いさんのように頭ごなしに質問される感じでしたし、審査を受けた支社長も内心は「おどおど」していたと思います。13ヵ所のうち、1ヵ所でも「不適合」(これはISOの専門用語で、ダメということ)がでれば、認証取得できません。私達も本当に緊張しましたが、二日間の審査は「あっ」という間に終わりました。
-9- やった!認証取得 編集部:長い間かかって取り組んだISO、いよいよ審査発表ですね?
SANADA:そうです。審査も終わり、なんとなく気が抜けたような感じでした。認証を決定する審査機関の「判定委員会」の日が、3月10日に決まったと連絡が入り、また緊張感がよみがえりました。平成15年2月6、7日の審査終了後、ISOについてマニュアルなどは見ないと思っていましたが、実際は、「注記」(ISOの用語で不適合ではないが、条件付きの適合という意味)がありましたので、その修正をしなければなりませんでした。 でも審査結果が気になり、それどころではありません。そうしているうちに、いよいよ審査発表の日になったのです。審査機関の判定委員会において審査され、当社にファックスにて速報が入る予定でした。そして夕方、「FAX来てますよ!」という声が聞こえたので、見に行くと、「貴社の環境マネジメント・・・が判定委員会にて3月14日付けをもって承認されました」という文面のファックスが流れてきていました。 「やった!!」この瞬間の喜びは、自分自身が今までに「大学入試」「就職試験」「国家資格合格」と並ぶ、いやそれ以上かもしれない喜びでした。
-10- 認証後の先は・・・ 編集部:ISOを取得されて、今はどのようなお気持ちですか?
SANADA:3月中旬、手元に正式な「登録証」が届きました。この瞬間、ようやく戦いが終わったと思いました。 社長からのトップダウンで始めた挑戦もすでに9か月が経っていました。この間、私たちは様々なことを学んだような気がします。「人に伝える難しさ」「管理のしかた」「団体行動の難しさ」などです。会社は止めることなく事業活動をしていますが、全社一丸となって取り組むこの「ISO」は、会社の組織を活性化するのに本当に意義のあるものだと思います。 すべてのことに対してPlan・Do・Check・Act(PDCAサイクル)を実践することは、論理的に考える能力を養うことができると肌で感じました。 しかし、認証取得がゴールではないのです。小さなことから始めたこの活動をできるだけ太く、そして長く続けていくことがこのISOの本当の意味であると思います。 私たちでも「できる」と本当に感じました。これからも、焦らず少しづつ前進していきたいと思います。 |
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