夏の風物詩、鴨川の納涼床(のうりょうゆか)が北は二条通から南は五条通の間で、繰り広げられている。床開きは、大型連休中の5月1日で、期間の終了は9月末日まで。 市街地をまっすぐ南北に流れる鴨川の美しさも納涼床の魅力。川のせせらぎ、水面を渡る風、冴えた月明かりは、心にも響く涼しさ。 最近、鴨川はカップルが多く、薄暗くなると川べりに涼を求め集まってくる。そして「鴨チュー」となぞめく言葉も新しく生れている。夜も更けるとしだいにカップルとカップルとの座る間隔が50センチ・30センチと狭まり、真夏の京都の夜の気温を上昇する原因になっているかもしれない。
納涼床の歴史は古く、その始まりは江戸時代にさかのぼる。当初は裕福な商人などが中洲や浅瀬に床机を置き、趣味趣向として遠来の客をもてなしていたようだ。その後、寛文年間に茶店や物売りの屋台が出現。『ところてん』に『西瓜の切り売り』『豆腐田楽』、さらには『びいどろ』や『のぞきからくり』『手品』『綱渡り』など、鴨川畔は毎日が縁日のようであったとされる。 古き時代の粋人のさざめきを、とうとうと流れる鴨川のせせらぎと共に継承されてきた「京都・鴨川納涼床」。しのぎがたい京の暑さの中、ますます生き生きと受け継がれる大らかで美しい町衆文化だ。 |