大覚寺観月の夕べ は平安時代初期に嵯峨天皇が大沢の池に舟を浮かべて文化人と共に遊ばれたことが始まりだと言われている。旧暦の8月15日の中秋には、大覚寺で「観月会」が開かれる。 『紫式部日記』にも記されている通り、嵯峨野の月は大変美しく、その中でも特に素晴らしいのが大沢の池の月。周辺の山の高さ、木々の配置など池を取り巻く背景が、まるで観月のために用意されているかの様に絶妙な調和を創り上げている。期間中は古式にのっとり大陸風の龍頭船、鷁首船を浮かべ、お茶席が設けられ、琴を奏で、平安の王朝絵巻さながらに優雅なひとときが繰り広げられる。
龍頭鷁首(りゅうとうげきす)の3隻の舟は大沢の池をゆっくりと流れるように動き、人々を幽玄の世界に連れ込んでくれる。 3隻の舟には、それぞれ龍と鷁の頭が据えられている。龍は水を渡って水難を防ぎ、鷁は飛んで風に耐えると言われている。水の災いから逃れる意味で、舟の舳先(へさき)に龍頭鷁首が取りつけられたのだ。(京都市右京区嵯峨大沢町)
〔鷁(げき):想像上の水鳥の名で、形は鵜に似ている。大空を飛び回り、また、巧みに水にもぐるという。〕 |